Nanasawa Articulates
チャイコフスキー交響曲 第4番&第6番 / E.ランガー

ピアノの横に乗っているのは、手が8本ある軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)の仏像フィギュア。手に持っていた武器や斧は脇に置いて、ピアノ8手用に編曲されたチャイコフスキーの交響曲を弾いてもらいたいが、実際には4人のピアニストが2台のピアノで演奏することになる。 交響曲のピアノ編曲は出版社との契約に含まれていたのでチャイコフスキー本人による4手版があるが、ランガー版はオーケストラ・スコアの音符をより多く拾うことができる 8手版(連弾が2組)だ。 ピアノ編曲版の交響曲を演奏する際は、管弦楽器の持続音を考慮し熟考された適正テンポよりも、速めのテンポ設定の方が演奏効果が上がると考えた結果、二つの交響曲を1枚のCDに収めることができた。ナナサコフの12枚目のCD。

           



Virtual Pianist
マズイ初演を聴かされたあなたは一体どうしたら良いのか。 一般に知られざる作曲家の作品をヘタクソなピアニストが弾いた録音を聴いた時の怒りに似た感情。それは「犯罪」に限り無く近い行為を目撃した者の気分だ。こんな時は人それぞれ、一番良い対処方法を考えるだろう。しかしその中に普通の場合は入らないのが「私がその作品の本当の演奏を皆に聴かせてやる」と心に決めて、握りこぶしを振り上げることだ。そんなことが出来るのはMarc-Andre Hamelin氏と他に数人しかいない。マズイ初演を聴かされたあなたは一体どうしたら良いのか。私は独自の方法で、それらの作品における最初の聴衆になることが出来るようになった。あなたに出来ることが二つある。一つは私と同じく録音すること、もう一つはナナサコフを応援することだ。続きを見る・・・

自分でやるしかないから
そう、私が聴きたいピアノ曲を誰もやってくれないから。音楽に向き合う人生でありたい、というより最初のリスナーになりたい、が当たっているかな。色めき興奮する時間は僅か、残りの大部分は同じことの繰り返しで日々の作業は決して楽しくはなく、むしろ苦痛に近い。CD一枚分で約10ヶ月を要するので、まさに産みの苦しみ。それでもやる。そして迎えるファースト・リスナーの喜び。 よい音楽は美しいピアノから、なのだ。



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